予防医療やがん治療の分野で高い効果が認められてきているのが、高濃度ビタミンC点滴療法です。これは高濃度のビタミンC を点滴で大量に投与する療法です。
一般的な口から飲むサプリメントのビタミンC は、通常1 g程度です。それに対して、高濃度ビタミンC点滴療法では25~100 gという高濃度のビタミンC を直接血管に点滴で入れることで、ビタミンC を全身の細胞に行きわたらせることが可能となります。
もともとの理論は、1954年にノーベル化学賞を受賞しているアメリカのライナス.ポーリング博士が1960年代に提唱したもので、現在では欧米を中心に、世界各国でこのアプローチが広まっています。
人間の体は細胞が酸化して、活性酸素などの物質が生じることにより、老化が進んだりがん細胞が発生したりします。そのため酸化を防ぐ(抗酸化作用)ことが、がんや病気を防ぐ他、老化防止のアンチエイジングにもつながります。
この高濃度ビタミンC点滴療法は、抗がん作用をもつことがさまざまな研究でも明らかになってきています。血液中のビタミンC′が高濃度になると、過酸化水素水が発生し、この過酸化水素水は正常な細胞には影響を与えず、がん細胞だけに強い傷害を与えるからです。
最近は、実際にがん治療の現場でも数多く使われています。副作用のない抗がん剤として、通常の抗がん剤と併用してビタミンC の点滴を行ったり、抗がん剤の副作用を軽減するために使われたりもします。
また、がんの手術を予定している人が手術までの待機期間に使用する、術後の再発予防に点滴を行う、といった使用法も増えてきています。
さらに高濃度ビタミンC 点滴はがんだけでなく、風邪やインフルエンザなどの感染症を強力に予防します。また美肌やアンチエイジング目的にも高い効果を発揮します。ビタミンC のもつ抗酸化作用が、加齢やストレスなどからくる肌の酸化を防ぎ、くすみやシミを改善するためです。
ビタミンCは肌の構成成分であるコラーゲンを生成する作用もあるため、肌のハリや潤いがアップする効果も期待できます。高濃度ビタミンC点滴療法は自由診療になります。費用は病院ごとに異なりますが、1回1万数千円前後が一般的です。がんの予防や感染症などの病気予防には1カ月に1回程度でもよい状態を維持できるといわれています。
1回の点滴だけでその効果を実感することば少ないですが、継続することにより高い効果を実感できるでしょう。
ビタミンCを多く含む食品はこちら。その他、ガン予防のための医療機関とのつきあい方のポイントも紹介します。ガン予防、そしてガンになってしまったときの心構えのようなものですが、大切な部分です。
PR