「ビタミンC」が、がんの治療に用いられ始めた。05年に米国で「ビタミンCはがん細胞だけを殺す」というセンセーショナルな論文が発表されて以来、研究が盛んになり、代替療法ながら副作用のない最先端治療として、米国では既に1万人もの医師が採用しているという。
日本でも治療を受けられるクリニックが増加中だ。
1回に60gもの超高濃度のビタミンCを点滴で直接静脈に投与するーこれが「高濃度ビタミンC点滴療法」と呼ばれるがんの治療法。
健康な人が1日に必要なビタミンCは1g とされるので尋常ではない量だが、「大量に血中に投与することでがん細胞に作用する」というのは、日本でビタミンC点滴療法の普及に務める、杏林大学保健学部救急救命学科の教授。
しかも、乳がん、前立腺がん、肺がん、肝臓がん、大腸がんをはじめ、多くのがんに有効との報告があるという。ビタミンC ががんに効くのはなぜか。「それは強い抗酸化作用でがん細胞を攻撃するため。ビタミンC は体内の活性酸素を除去する過程で、活性酸素の一種である過酸化水素を発生する。正常な細胞はこの過酸化水素を分解して無害化する酵素を持っているが、がん細胞はこの酵素が少ないため分解できない。
ビタミンCを大量に投与すると、過酸化水素が大量に発生し、がん細胞を攻撃すると考えられている。
患者は、他の病院でがん治療を受けながら、ここでビタミンC点滴療法を受ける。「ビタミンCは抗がん剤による免疫力低下や痛みなどの副作用の軽減にも有効」という。大量に投与することで弊害は? と心配になるが、「ビタミンCは水溶性で余分にあると排出されるため、副作用の心配もほとんどない」と柳澤教授。柳澤教授が主宰する「点滴療法研究会」では、前出の「国際人問機能改善センター」のプログラムを指導しており、日本でも既に150以上の医療機問が実施。「点滴療法を始めて3カ月問でがんが小さくなるなど、驚くべき効果もでている。
PR