ガンを予防する
免疫力(病気から体を防衛する力)を強め、ガンを防ぎ治す栄養素として、食物繊維が注目を集めています。
人のお腹の中には、免疫力を担う白血球という免疫細胞が集まっています。ガン細胞や有害物質などの異物を攻撃するのは、顆粒球・リンパ球・マクロファージ(大食細胞)・NK細胞といった白血球の役目です。
一方、食物繊維の働きの中で重要視されるのが、腸の善玉菌を増やす働き。私たちの腸内には、体に有益な働きをする善玉菌と、害をもたらす悪玉菌がすみつき、一方が増えれば一方が減るというように、縄張り争いをくり広げています。
このうち、心普玉菌に含まれる多糖体という物質は、腸の白血球の働きを活発にすることが突き止められています。
反対に、悪玉菌は白血球の働きを低下させてしまいます。食物繊維は、腸内の善玉菌のエサになり、善玉菌を増やして白血球の働きを高めます。
その結果、免疫力が強化され、ガンの予防や改善に役立つというわけです。ところが、現代の日本人は、食物繊維をとる量が激減しています。
以前の日本人は、和食の中で玄米や豆類・海藻などから食物繊維を十分に補給していました。しかし、食事が欧米化するにつれて肉や乳製品といった動物性脂肪の摂取が増え、また滞米された白米を食べる習慣が根付いてきました。その結果、食物繊維の摂取量は減少の一途をたどると同時に、日本人にはガンが増えてきたのです。
さて、食物繊維にはさまざまな種類がありますが、大別すると水に溶けやすい水溶性の食物繊維と、水に溶けにくい不溶性の食物繊維の2種類があります。
水溶性の食物繊維は果物や海藻・寒天などに多く含まれ、腸内の有害物質を包み込んで抑僻する働きがあります。
一方の不溶性の食物繊維は、穀物やイモ、豆類などに多く含まれ、腸内の水分や不要物を吸っでふくらみ、腸壁を刺激して排便を促す働きがあります。これらの食物繊維は、腸内の悪玉菌のエサになる老廃物や腐敗物質を吸着して排出する一方、食物繊維自身が善玉菌のエサになります。その結果、ガンなどの病気から体を守る免疫力が強まるのです。さらに、最近になって、免疫力を格段に強める新型の食物繊維が注目を集めています。それが、水溶性食物繊維の一種であるβグルカンです。
PR