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ガン最前線

現代は、すでに2人に1人が発症する「ガン」について溢れた情報の中で特に大事な内容のみをピックアップ。

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転移しやすい部位を予測する

見つかった時点で「転移」と考える患者さんが多い
日本では、日本人の3人に1人がガンで亡くなっているといわれています。
ガンが恐ろしいのは、手術でガン細胞を切除しても、転移や再発によって亡くなるケースが多いからです。
実際、ガンと診断された人の約5潮が、その時点で転移をしていると推察されます。
では、なぜガンは転移するのでしょうか?
人の体は、約60兆個の細胞から成り立っており、それぞれの細胞の分裂や増殖は、遺伝子(遺伝をつかさどる本体) によって厳密にコントロール(制御)されています。ところが、遺伝子に異常が起こると、勝手に増殖する細胞へと変化することがあります。
その異常な細胞によって作られた塊を「腫瘍」と呼び、良性腫瘍と悪性腫瘍に区別されます。
良性腫瘍は、増殖する適さが遅く、局所的に細胞の塊を作るだけなので、手術で切除すれば根治できます。ところが悪性腫瘍、つまりガンは、増殖が速いうえに、周囲の正常な細胞や組織を破壊して広がっていきます。
さらに、遠くの臓器にまで無秩序に散らばります。ガンの転移です。これが、体内のすべての組織にはりついているリンパ液(血管から漏出した組織液)や血液が流れているので、ガン細胞は、この流れに乗って新たなガン組織(転移巣という)を形成します。つまりガンは、全身に転移する性質を持った、極めて攻撃的な悪性細胞なのです。こうしたガンも、最初にできた場所(原発巣という) にとどまっている場合には、壬丁術で完全に切除すれば治すことができます。
ところが、ガンが検査で見つかるくらいの大きさ(110cm程度) になった時点では、すでにほかの場所に転移していることが多いのです。
例えば肺ガンの約40% 、胃ガンや大腸ガンの約20%は、診断時にほかの臓器への転移が見つかっています。
目に見えない小さな転移はもっと多く起こっています。このようにガンは転移する可能性が高いのですが、もし転移しやすい臓器(部位)を予測できれば、日ごろから再発防止を心がけることができるでしょう。幸い、ガンが転移しやすい部位はほぼ決まっているのです。
特に、ガンが血液の流れに乗って転移する場合は、転移しやすい臓器があります。それは、肺・肝臓・腹膜・脳・骨。中でも勝と肝臓は、二大転移先と考えていいでしょう。この二つは細かい血管が多く、血液の量も多いため、非常に転移しやすいのです。
食生活の改善が大切
ではガンの転移や再発防ぐためにはどうしたらいいのでしょうか?
その重要なカギが、食事など生活習慣の改善です。英国のドール博士が1981(昭和56)年に行った調査では、ガンになる要図の35%は食事で、30% は喫煙という結果が出ました。そして、不適切な食事や喫煙という要因を取り除けば、ガンの70% は予防できると報告しています。
不適切な食事とは、脂肪や塩分・糖分のとりすぎ、野菜不足などの食生活にほかなりません。
また、愛知県がんセンターが行った、胃ガンの手術を受けた患者さん877人の調査では、豆腐などの大豆食品を3回以上食べている人は、再発による死亡率が65% に減ることが判明。生野菜を過3日以上食べている人では、74% に減ったそうです。こうした調査結果からも、ガンを予防し、再発・転移も防止するためには、肉や塩辛い食品・砂糖入り飲料を控え、野菜や果物を多くとることが重要と考えられます。現在のようにがんが急増する前から食事の重要性は言われています。
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