私たちが生きていくためには、食事から栄養素をとらなければなりません。それらの栄養素は、そのままの形で利用することはできません。
たとえば、タンパク質はアミノ酸に分解され、さらに体内でさまざまな化学反応を行って、筋肉など体を作る材料になります。これらの化学反応には「酵素」の力が必要です。体内で起こる化学反応は、酵素なしで行うことはできません。
酵素は大きく分けて、体の中にある「潜在酵素(体内酵素)」と「体外酵素」の2種類があります。潜在酵素は、食べ物を消化する「消化酵素」と細胞の再生など生命活動を行う「代謝酵素」に分かれます。体外酵素は生の食品に含まれる「食物酵素」で、その食物を消化する働きがあります。
潜在酵素は生涯で生産される量が決まっており、1日に生産される量もだいたい決まっています。そのため、暴飲暴食を繰り返すと消化酵素が大量に使われ、生命活動に必要な代謝酵素にまわす分が足りなくなってしまいます。
さらに潜在酵素が不足すると、栄養を吸収する腸の働きが悪くなり、栄養不良におちいります。とくに、タンパク質が十分に消化されないと、大腸内で悪玉菌(腐敗菌)が分解して、窒素残留物を作ります。この窒素残留物が、がんや難病を含む、さまざまな病気の原因になっていくのです。
がんを含めた難病治療で、多くの患者さんを治療してきました。その基本は「酵素半断食」です。抗がん剤は、小腸の栄養を吸収する細胞である腸絨毛を破壊するので使いません。
がん患者は、腸の腐敗が進んでいて、ひどい便秘を訴える人がほとんどで、抗がん剤で腸が痛めつけられています。しかし、「酵素半断食」で、腐敗した腸がきれいになれば、腸絨毛は再生します。体内酵素の不足は、あらゆる病気の原因になります。これを防ぐには、生野菜や果物から酵素(外部酵素)を積極的にとることが大切です。
といっても、すべてを生食にする必要はなく、私は「酵素を含む生食60%、加熱調理をした料理40%」が理想と考えています。
なお、ぬか漬けや納豆などの発酵食品にも酵素が含まれています。ぬか漬けには、腸の腐敗の改善に役立つ乳酸菌が含まれています。
がんの「酵素半断食」は、期間も長く、医師の指導のもとに行う必要がありますが、今回は誰でも実践できる2日コースを紹介します。「酵素半断食」を行うことによって、すべての臓器を休ませることができ、腐敗菌だらけの大腸がきれいになります。また全身の免疫の70%が集中する小腸の免疫系が活性化し、免疫力もアップします。
いろいろな注意事項があるので、会社勤めをしている人は、土日に行うとよいでしょう。実際に半断食するのは、2日間ですが、前日の過ごし方がとても大事です。
前夜に消化に時問がかかる揚げ物などを食べると、翌日はまずその消化に酵素が使われ、体内の潜在酵素を浪費します。半断食中の朝と夜に食べるのは、すりおろした野菜です。すりおろすと、野菜の細胞膜が壊れ、酵素が活発に働き2倍以上に増えます。大根は2日問の共通の食材です
。すりおろし野菜には、亜麻仁油( フラツタスオイル) を入れたドレッシングをかけます。
亜麻仁油はリノレン酸が豊富で、「酵素半断食」に欠かせません。また断食中は体を温めて、汗を出しましょう。
4〜45℃のお湯で、へそから下の半身浴をしたり、足湯をするとよく汗が出ます。半身浴や足湯は40〜60分が目安です。半断食中は、運動してもかまいません。ウォーキングやストレッチ、散歩、ラジオ体操などの軽い運津は、代謝の改善に役立ちます。
「酵素半断食」を始めると、頭痛や肩こり、吹き出もの、腰痛、吐き気、めまいなどの「好転反応」が起こることがあります。好転反応は、「酵素半断食」をするほとんどの人に起こります。好転反応は半断食に体が反応しているサインと理解し、あまり気にしないことです。
「酵素半断食」で最も多い好転反応は便秘です。便秘を改善するには、よい油をとったり、水をたくさん飲むようにします。よい油とは一亜麻仁油かナタネ油でスプーンで直接飲んだりすると効果的です。
2日問の「酵素半断食」を終えた翌日からの「復食」も大切です。復食開始から1週間は、添加物の多い食品、甘いもの、肉や乳製品は避けるようにします。復食に気を配ると、「酵素半断食」の効果が長続きします。
半断食の数日後には、大量の便が出ます。この便が出るのが腸がきれいになつたサインです。
「酵素半断食」の後は、復食に気をつけながら、このサインが出るのをしっかり待ちましょう。
ガン患者におすすめの酵素は「野草酵素」
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