昨今、日本ではガンで亡くなる人が急増しています。厚生労働省の調査によれば、日本人のガンによる死亡者数は2008(平成20)年に34万人を超えました。1971(昭和46)年のガンによる死亡者数は約13万人なので、30数年問で2.6倍に激増した計算になります。
このようにガンで亡くなる人が急増した理由として、日本人の平均寿命が延びて、高齢者が増えたことが指摘されています。しかし、過去30年の間で日本の人口が1.2程度しか増えていないことを考えると、単純に高齢化を原図とするのは早計でしょう。むしろ、問題の根本は食事・睡眠・運動といった生活習慣の乱れにあると私は考えます。
とりわけ、ガンと大きなかかわりがあるといえるのが、ふだんの食習慣です。ガンを招きやすい食習慣として、ショ糖(白砂糖)、酸化した油脂、マーガリンなどに含まれるトランス型油脂・リノール酸といった糖分や脂肪分のとりすぎがあげられます。
アルコールのとりすぎもいけません。そのほかにも、野菜・果物不足、過食(食べすぎ)、偏食(栄養バランスの偏った食事)などの悪い食習慣がガンを招くのです。
日本より早い時期からガンによる死亡者数が急増していた米国では、1970年代から病気と栄養の因果問係が盛んに議論されてきました。特に、米国議会で発表された報告書(通称「マクガバンレポート」)が契機になり、食生活や生活習慣を正そうという機運が高まったのです。
その中で強く打ち出されたのが、「野菜∴果物中心の食生活」と「禁煙」でした。国をあげてその重要性を訴えた米国では、1990(平成2)年からガンの患者数と死亡率が減少。毎年、患者数が0・7% ずつ、死亡率が平均0.5% ずつ減り、現在も減少傾向が続いています。
このように米国Hでガンが減少に転じたことについては、やはり禁煙による効果が大きいといえるしょう。同時に、食生活の改善が功を奏していることも問違いありません。
野菜や果物には、細胞のガン化を防ぐ抗酸化物質(酸化力の強い酸素を消す物質)が豊富に含まれています。具体的には、酵素(化学反応を助ける物質)、ビタミン、ミネラル(無機栄養素)、ファイトケミカル(植物性化学物質)など。
中でも最も注目しているのは、酵素です。すべての生き物は、生まれながらにして細胞の中にたくさんの酵素(これを滞在酵素という) を持っており、生きていくために必要な消化酵素と代謝酵素(代謝とは体内で行われる化学反応)を、日々作り出しています。
酵素には、ガンと問う免疫力(病気から体を守る力)を強める働きもあります。そのため、酵素が含まれる生の野菜・果物・魚・肉をとると潜在酵素の働きが活発になり、免疫力が高まってガンの予防に役立つのです。このことを発見したのは、米国のエドワード・パウエル博士でした。
現在、ガンの治療では、手術・放射線・抗ガン剤の三大療法を行うのが一般的です。しかし、これらの治療法は、すでに発生しているガンを切ったり縮小したりする対症療法といえます。そのため、数年後に再発や転移を起こすことが少なくないのです。
再発や転移を徹底的に防ぐには、酵素栄養学のようにガンの根本原因をきちんととらえ、改善することが重要であるといえるでしょう。
そこで役立ててもらいたいのが、「ガンを招く生活習慣番付」です。
これは、酵素栄養学の考えをもとに、ガンにかかりやすい食品や生活習慣を私なりに番付けしたものです。これらの原因がいくつか重なると、ガンを発症しやすくなるのです。特に、タバコとショ糖、アルコールの組み合わせは、ガンになるリスク(危険度) を飛躍的に高めます。油脂や加熱調理した食品、西洋化学薬剤を多くとった場合も、ガンにかかりやすくなります。こうした悪い食習慣と運動不足・不眠などが組み合わさると、さらに危険度は高まります。
ガンを招く生活習慣 タバコ
砂糖の過食
酸化した油脂
(ある種の)西洋化学薬剤の過剰摂取
トランス油脂
加熱調理オンリーの食生活
高脂肪食
高たんぱく食
低繊維食
食べ過ぎ
毒性重金属の摂取
電磁波の被爆
夜食
極端な偏食
アルコールの過剰摂取
リノール酸過多の食事
硝酸態窒素
肥満
食べてすぐ寝る
水道水使用
運動不足
睡眠不足
強いストレス
電子レンジの多用
毒性添加物の他所kう
暗く湿気の多い生活環境
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