ハナビラタケにはマイクケやアガリクスの3~5倍もの抗ガン成分が含まれている
2008年に国立がん研究センターが発表した、運動とガンの関係についての調査結果によると、男女ともに日ごろから体を動かす習慣のある人は、ほとんど運動をしていない人に比べて、ガンにかかる危険性が2割近くも低かったことがわかりました(男性〇0.87倍、女性0.84倍)。
適度な運動によってマクロファージやNK(ナチュラルキラー)細胞といった白血球の免疫細胞が活性化したり、サイトカイン(抗ガン作用・抗ウイルス作用を持ぶんつたんばく質) などが分泌されやすくなって免疫力(体にとって異物であるウィルスや細菌などに対抗する能力) が高まると推測されています。
免疫力はガンを撃退するために欠かせないものですが、運動だけでなく食べ物の中にも、免疫力を高めるものは存在します。それが、私が長年研究を続けている「ハナビラタケ」というノコです。
ハナビラタケが体の免疫力を高めてくれるのは、ハナビベータラタケにβグルカンという有効成分が豊富に含まれているからです。
抗ガン作用が強いβグルカンは、抗ガン剤の原料にもなっています。キノコの中でもβグルカンが多く含まれるといわれてきたのは、マイタケ( 100グラム中18.1グラム) やアガリクス( 同11.6グラム) ですが、なんとハナビラタケには100グラム中に63.2グラムも含まれ、強力な抗ガン作用を持つβ ( 1-3 ) グルカンという種類なのです。ハナビラタケについて、私たちが行った動物実験の結果です。
ハナビラタケの有効成分は口からとっても免疫力を高めるとわかり世界が注目
ガンが完全に消失
ハナビラタケから4つの方法でβ(1-3)グルカンを抽出した後、ガンをガンを発症させた130匹のマウスに与えて、35日後に結果を調べました。その結果、ハナビラタケのβ(1-3 グルカンを与えたすべてのマウスは、ガン細胞の増殖が抑えられていました。特に、熱アルカリ抽出(水酸化ナトリウムで煮出して有効成分を抽出する方法) によるハナビラタケのβ (1-3) グルカンを与えた10匹のマウスは、すべてのガン細胞が完全に消失していたのです。
白血球が増加
ガン細胞を移植したマウスに抗ガン剤を与えて白血球の数を急激に減少させてから、β(1-3)グルカンを投与したところ、白血球の数がすぐに増加したのです。免疫力の中心的な働きをする白血球が増加したことで、ハナビラタケの免疫力強化作用が、学術的に裏づけられたのです。
なお、β(1-3)グルカンの投与は、注射でも経口投与( 口から与えること) でも同じ結果が得られました。
一
般に、分子が大きいβ(1-3)グルカンは人間の腸内で吸収されないといわれてきました。ところが、ハナビラタケの場合は、小腸にあるβ(1-3)グルカンの受容体( 一種のセンサー) が刺激されて、免疫力を強化するサイトカインの分泌が盛んになることがわかったのです。この事実は、2007年に英国の学術雑誌『ネイチャー』に発表され、世界じゅうの医療関係者から注目を集めました。
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