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ガン最前線

現代は、すでに2人に1人が発症する「ガン」について溢れた情報の中で特に大事な内容のみをピックアップ。

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大昔からの強壮食抗がん作用を確認「スッポン」

ミネラルも豊富で、リノール酸、リノレン酵などの必須脂肪酸も含まれる”一「1度くらいついたら雷がなるまで離さない」 といわれるスッポン。強壮食としては日本でも弥生時代から食べられていたようだ。

そのスッポン、中国では腫瘍ができた場合に用いられていた。スッポンの甲羅は漢方薬で、これを投与したり、スッポン料理を食べたりするのである。

スッポンがなぜガンにいいのか、その点がまったく研究されていなかった。それを東京大学薬学部のグループが動物実験で明らかにした。

ラットの腹部にガン細胞を皮内注射し、固形ガンを作る。それとともに別のラットの腹腔内にも同じガン細胞を注射して腹水ガンを作った。固形ガンラットグループと腹水ガンラットグループに対して、スッポンの粉末をラットの体重1 キログラムに対して500ミリグラムを毎日、経口投与した。1ヶ月後、両グループのラットをスッポンの粉末を与えなかったグループと比較すると、腹水ガンラットではそれほどはっきりとした差異は確認できなかった。

ところが、固形ガンラットグループでは、明らかに腫瘍の大きさがスッポンの粉末を与えたラットで縮小していたのである。
スッポンの粉末を与えなかったラットの固形ガンは平均直径24ミリ。それに対してスッポンの粉末を経口投与し続けたラットでは平均直径16 ミリ。

明らかに抗ガン作用のあったことがわかる。このときに使用したスッポンの粉末は、1 匹丸ごと粉末にしたものと、スッポンの甲羅部分だけを粉末にしたものの両方が試され、甲羅部分だけの粉末にも多少の効果は認められたものの、明らかな抗ガン効果を発揮したのは、1 匹丸ごと粉末にしたものだった。この研究は日本薬学会で発表され、注目を集めたものの、まだ、スッポンのどの成分が抗ガン作用に働いたかは不明で、今後のさらなる研究が待たれる。

抗ガン作用も発揮するスッポンは、実はたいへん上質なたんばく質である。人間が体内で合成できないために、食べ物から摂取する以外に方法がない必須アミノ酸がすべて含まれている。そればかりかカルシウムなどのミネラルも豊富で、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸といった必須脂肪酸も含まれているのである。栄養的にもバッグンの食材だが、食べようにもなかなか口にできないほどの高級品。だから、何とか日々、健康維持のために食用するには健康食品に頼ることになろう。

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